SSS

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小さくも逞しい卵殻のような構造体

「SSS(SAKAN Shell Structure)」は、伝統的な左官技術を活用したシェル構造体からなる自助建設型仮設住宅モデルの提案である。約2年にわたり材料・構造・構法・デザイン全般についての検討を重ねた結果、2007年春、滋賀県立大学キャンパス内に実物大実験棟が完成した。
左官技術により作成されたSSSの無筋モルタルシェル構造体は、その厚さわずか15mm〜30mm、鉄筋を一切用いずに実現したと言う点でも、世界的に他に類を見ないものである。

SSS構造概要SSSは一見単純明快なドーム(楕円体シェル)構造であるが、開口で切り抜かれた下部はドームの特性であるリング効果が失われており、むしろアーチ構造に近い。その構造システムは、①開口より上部のドーム構造、②対角線方向の2対のアーチ効果、③開口周りの4連の環状アーチ効果、の3つに分解して理解することが出来る。作用する鉛直荷重は①のドーム構造を介して面内応力に変換され、②または③の経路で最終的に地盤に伝達されるが、③に関しては環状の4連アーチが相互に釣合う関係にあるので、シェルの大敵である曲げは生じない。問題は②の半楕円形アーチであり、半円形アーチと同様、重力に対して脚部中央付近で曲げモーメントが発生する。また、ライズが非常に高いため、地震時にはむしろラーメン構造の柱に近い曲げモーメントが脚部上方に生じる。そこで、研究の初期段階で、開口周囲にリブを設けることが決定された。このリブは、複数のシェルを連結する際にジョイントとなると同時に、曲げに対して剛性・耐力を高める縁梁としての役割を果たす。また、③のアーチ効果を補剛し、②の負担を軽減する効果も期待できる。

■ 設計・施工
 Sakan Shell Structure研究委員会
■ 施工協力
 小川テック 久住鴻輔/久住左官
■ 構造概要
 所在地:滋賀県彦根市 滋賀県立大学内(2009年5月解体済)
 主用途:実験棟
 構造:無筋モルタルシェル構造
 階数:地上1階
 建築面積:8.6m²
 延床面積:8.6m²
 竣工年月:2007年5月

※掲載誌
 新建築住宅特集2007年9月号
 住宅建築2007年9月号
 TOTO通信2010年春号

※参考URL
 建設プロセス:http://www.kaguraoka.info/blog/archives/00100_yanagisawa/00190_sss
 解体実験:http://q-labo.info/memo/000077.php

  • 2009-06-16